月数百円の値上げでも、20名・30名の会社なら年間で数万円の差になります。 2026年7月1日を境に、Microsoft 365 Business Basicの価格が改定されました。「なんとなくBasicで運用している」というケースが多い中小企業こそ、これを機にプラン体系を整理する絶好のチャンスです。本記事では、改定内容を整理したうえで、情シス担当・経営者がすぐ動ける対策を3つに絞って解説します。
2026年7月の価格改定、何が変わるのか
Microsoft 365の一部プランが、2026年7月1日以降の最初の契約更新日から新価格に切り替わりました。適用されるのは月額払い・年額払いを問わず「次の更新タイミング」から。すでに7月以降に更新が来ている会社は、すぐに対応が必要です。
主な改定ポイントは3つです。
- Business Basicが値上げ:月額 ¥899 → ¥1,049(+16.7%)
- Business Premiumは据え置き:改定なし
- 新たにCopilot付きSKUが登場:Microsoft 365 Business with Copilotシリーズが標準プランに追加
Business Premiumが「据え置き」になることで、BasicとPremiumの価格差が実質縮まります。これが今回の改定で最も見逃されやすいポイントです。
プラン別 価格比較——Before/After
| プラン | 改定前(月額/ユーザー) | 改定後(月額/ユーザー) | 変動 | |—|—|—|—| | Business Basic | ¥899 | ¥1,049 | +16.7% ↑ | | Business Standard | 改定あり | 各社代理店で要確認 | 値上げ対象 | | Business Premium | — | — | 据え置き | | M365 Business with Copilot(新SKU) | — | 別途見積 | 新登場 |
⚠️ Business StandardおよびCopilot付きプランの日本円価格は、契約チャネル・代理店により異なります。NTTドコモビジネス・ソフトバンク・マイクロソフトダイレクト等の公式案内をご確認ください。
20名・30名の会社でのコスト試算(年間)
| 規模 | 改定前(年間) | 改定後(年間) | 差額 | |—|—|—|—| | 20名(Business Basic) | ¥215,760 | ¥251,760 | +¥36,000 | | 30名(Business Basic) | ¥323,640 | ¥377,640 | +¥54,000 |
「月数百円」と思っていても、社員数分で積み上がると無視できない金額です。30名規模で年間+5万円超。これを機に本当に必要なプランか確認することを強くお勧めします。
中小企業が今すぐ取るべき3つの選択肢
選択肢 1: 年払いに切り替えて更新タイミングをコントロールする
月払いで運用している場合、今すぐ年払いに切り替えて更新日を先送りすることで、旧価格での運用期間を最大1年延ばせます。Microsoftの案内では「2026年7月1日以降の最初の更新日」から新価格が適用されるため、年払いで更新済みの契約は次回更新までは旧価格のままです。
確認手順:
1. Microsoft 365管理センター(admin.microsoft.com)にログイン
2. [課金] → [製品] → 該当サブスクリプションの「更新日」を確認
3. [課金頻度の変更] で月払い→年払いに切替
ただし、年払いへの変更は「次回更新時」に適用されるケースが多い点に注意。早めに管理センターで確認してください。
選択肢 2: Business Premiumへのアップグレードを検討する
今回の改定でBusiness BasicとPremiumの価格差が縮まりました。Business Premiumには以下が含まれます:
- Microsoft Defender for Business(エンドポイントセキュリティ)
- Microsoft Intune(PC・スマホの一元管理)
- Azure Active Directory Premium P1(条件付きアクセス)
- Defender for Office 365 Plan 1(フィッシング・マルウェア対策強化)
別途セキュリティツールを契約している会社は、Premiumへの統合でコストが下がるケースがあります。「ウイルス対策ソフト + ¥899のBasic」という構成を見直す良い機会です。Basicの値上げでその差が縮まった今、アップグレードのROIは以前より出やすくなっています。
選択肢 3: Copilot付きプランの費用対効果を試算する
Microsoft 365 Business with Copilotシリーズが2026年より新SKUとして登場しました。Teams会議の自動要約、Outlookのメール整理、Word/Excelの文章生成など、繰り返し業務の削減に直結する機能が追加されます。
💡 月2〜3時間の作業削減が見込める場合、Copilotのコスト増分は人件費換算でペイする計算になります。
ただし「全員が使いこなせるか」は導入前に業務棚卸しが必要です。5〜10名でのトライアル → 効果測定 → 全社展開、というステップが失敗を避けるコツです。
ハマりどころ——よくある3つのミス
ミス1: 「7月1日から自動で値上げ」と思い込む
正確には「2026年7月1日以降の最初の更新日」です。8月や9月が更新月の会社は、それまでは旧価格のまま。慌てて不要な操作をしないよう注意してください。まず管理センターで更新日を確認するのが最初のステップです。
ミス2: ユーザー数を棚卸しせずに更新する
この機会に実際に使われているアカウント数を見直すことを強く推奨します。退職者のライセンスが残っていたり、使われていないメールボックスに課金し続けているケースは非常に多い。
確認方法(Microsoft 365管理センター):
[ユーザー] → [アクティブなユーザー] → 「最終サインイン日」でソート
→ 90日以上サインインなし = 削除 or ライセンス解除の候補
ライセンス数を5〜10本削減できるだけで、値上げ影響を帳消しにできるケースもあります。
ミス3: 代理店経由なのに管理センターで直接変更しようとする
NTTドコモビジネス・ソフトバンク・大塚商会など代理店経由の場合、プラン変更や価格の問い合わせは代理店窓口経由が原則です。管理センターで直接変更すると契約ルートが混在してトラブルになることがあります。購入チャネルを確認してから動きましょう。
まとめ——動くなら今
2026年7月の価格改定を「仕方ない値上げ」で終わらせるか、「プランを整理する好機」にするかは、対応スピード次第です。
今すぐやること(チェックリスト):
- [ ] admin.microsoft.com で更新日と課金頻度を確認
- [ ] 未使用アカウントを棚卸しして削除 → ライセンス数を適正化
- [ ] セキュリティ要件を確認 → Business PremiumへのアップグレードROIを試算
- [ ] Copilot活用が見込める業務があれば5〜10名でトライアル検討
特に「代理店経由で請求書を受け取っているだけで中身を把握していない」という会社は、今が見直しの絶好機です。値上げをきっかけに、使っていない機能・余剰ライセンスを削ぎ落とせれば、結果的にコストダウンになることも珍しくありません。
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