「あの資料、どこに保存したっけ」とSharePointやTeams、Outlookを行き来して探した経験はありませんか。Microsoftは2026年9月22日〜10月6日のアップデートで、Microsoft 365 Copilot検索に会話型AIチャットを直接組み込みました[1]。検索とチャットを別のツールとして切り替える手間がなくなり、「探す」と「聞く」が一つの画面で完結するようになります。中小企業の総務・営業・経理など、日々の情報探しに時間を取られている担当者にとって、地味だが効果の大きい変更です。
これまでの「検索」と「チャット」の二度手間
これまでMicrosoft 365 Copilot検索は、キーワードで該当ファイルやメールを一覧表示する「検索」機能と、質問に文章で答える「チャット」機能が別の体験として分かれていました[1]。欲しい情報がキーワード検索で見つからないとき、わざわざCopilot Chatを開き直して同じ内容を聞き直す、という二度手間が発生していたのです。
中小企業では情報がSharePoint・Teams・Outlook・OneDriveに分散しがちで、どこに何があるか把握している担当者が限られることも少なくありません。検索とチャットの往復は、その分散を埋め合わせるための余計な作業でした。
何が変わったか
今回のアップデートで、Microsoft 365 Copilot検索の結果画面に会話型AIチャットが直接埋め込まれるようになりました[1]。検索結果を見て「もう少し詳しく」「この資料の要点だけ」と続けて質問すれば、検索ツールを切り替えずにその場で回答が得られます。
同時に、回答に対して「再試行」や「モデルの切り替え」ができる再生成機能も追加されました[1]。最初の回答が的を外していても、聞き直しの手間を減らしてその場で軌道修正できます。
管理者側の変更としては、Copilotコネクタのクエリ文字列やユーザーIDマッピングルールを、サポートチケットを開かずに管理センターから直接編集できるようになった点も見逃せません[1]。情シス担当が自前で設定を調整できる範囲が広がっています。
| 変更点 | 内容 |
|---|---|
| 検索とチャットの統合 | 検索結果画面内で会話型AIに続けて質問できる |
| 応答の再生成 | 「再試行」「モデルの切り替え」をワンボタンで実行 |
| コネクタ設定の編集 | クエリ文字列・ユーザーIDマッピングを管理者が直接編集可能 |
実際に試す手順
- Microsoft 365(Copilotライセンスを持つ環境)で、SharePoint・Teams・Outlookいずれかの検索バーからキーワードを入力する
- 検索結果の一覧が表示されたら、画面内の会話型AIの入力欄に続けて質問を入力する(例:「この中で先月更新された契約書だけ教えて」)
- 回答が意図と違う場合は、再生成アクションで「再試行」または別のAIモデルへの切り替えを試す
- 社内の複数システム(勤怠・会計ツールなど)をCopilotコネクタで接続している場合、クエリ文字列やユーザーIDのマッピング設定が必要になることがあるため、管理者は管理センターの該当設定から接続状態を確認する
想定される使い道は、たとえば総務担当が「今年度の就業規則の改訂履歴」を検索し、ヒットした複数ファイルの中から「一番新しいのはどれ」と続けて聞く、営業担当が過去の提案書を検索しつつ「同業種向けの事例だけ抜き出して」と絞り込む、といった場面です。従来は検索結果を自分で開いて読み比べる作業でしたが、結果画面内でそのまま要約・絞り込みを依頼できるようになります。
💡 学び:この機能はMicrosoft 365 Copilotのライセンスを持つユーザーに段階的に展開されるため、同じ組織内でも使える人と使えない人が出てくる可能性があります。導入状況は管理者に確認するのが確実です。
導入前に注意したいこと
注意したいのは、この機能が「検索対象を広げる」ものではないという点です。会話型AIが答えられるのは、あくまでその人自身がアクセス権を持つファイルやメールの範囲内であり、見つからなかった情報が急に見つかるようになるわけではありません。
また、無料のCopilot(個人向けのCopilot Chat)とMicrosoft 365 Copilot(契約が必要な業務向け)は別物です。今回の更新は後者の機能であり、混同すると「うちでは使えないはずだが」という勘違いにつながります。社内で案内する際は、対象ライセンスを明確にしておくことをおすすめします。
⚠ 注意:社内展開前に、情シス担当がまず自分の環境で使えるかどうかを確認し、使える場合に限って他部署へ案内する順序がおすすめです。
まとめ
今回のアップデートはリリースされたばかりで、中小企業における具体的な時間削減効果はまだ公開データがありません。数字で効果を断定することは避けますが、「検索結果を見て→チャットを別途開いて→同じ内容を聞き直す」という往復が一画面で済むようになる変更であり、情報を複数システムに分散させがちな中小企業ほど、往復の手間が減る実感を得やすい変更だと考えられます。
すでにMicrosoft 365 Copilotを契約している場合は、追加コストなく試せる更新です。まずは自社の検索バーで使えるかどうかを確認し、使えるようであれば日常の「資料探し」で試してみる価値があります。
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根拠: [1] Microsoft Learn「Microsoft 365 Copilot のリリース ノート」(2026-10-12 確認) https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/copilot/release-notes 「Microsoft 365 Chat は、会話型 AI の力を Microsoft 365 Copilot 検索に直接取り入れ…」
